ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔 ベデリア・デュ・モーリア博士の謎

ジリアン・アンダーソン演ずるベデリア・デュ・モーリア博士。

妖艶な雰囲気に見え隠れする、裏の顔に迫ります。

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

海外ドラマ版のハンニバル。妖艶な魅力を放つ淑女の顔に隠された、その裏の顔。
レクターの博士の一番近くに居る存在で、常にレクター博士の毒牙の危険に晒されているように見えるベデリア・デュ・モーリア博士。

 

しかし、その実観ている側の人間が心配する危険性は、何故かベデリア・デュ・モーリア博士には無関係のようにも感じる。それは何故なのだろう?

著名な精神科医であるレクター博士がベデリア・デュ・モーリア博士の患者であるという事実。

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

精神科医としては、一流であり完璧なように見えるレクター博士であるが、そんなレクター博士にも幾度となく通う精神科医のカウンセラーが存在する。

 

それがベデリア・デュ・モーリア博士だ。レクター博士の信頼も厚く、彼女の鋭い助言には真摯に耳を傾けているように見える。

 

しかし、ベデリア・デュ・モーリア博士はレクター博士が患者であることを認めてはいない。なぜならベデリア・デュ・モーリア博士は精神科医を既に辞めているからだ。そのきっかけは、過去、自分の患者に殺されかけたことにある。

 

ベデリア・デュ・モーリア博士の命の危険を救ったのは、レクタ-博士だ。実際にはベデリア・デュ・モーリア博士は気を失っていて、その場面を憶えていないのだが…。

 

襲って来た患者は現場で死亡。死因は自らの舌を飲み込んでの窒息死という不可解な死に方をしている。

 

どうやら、患者がベデリア・デュ・モーリア博士を襲うに至った経緯にも、舌を飲み込んで窒息に至った経緯にもレクター博士が深く関わっているようだ。

 

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

この事件をきっかけに、ベデリア・デュ・モーリア博士はハンニバル・レクターの本性に気づいており、その観点から助言すされる言葉には、レクター博士も耳を傾けざるを得ないのであろう。

 

ところで、自身の本性を知られてしまったレクター博士。
なぜベデリア・デュ・モーリア博士を殺さずにいるのだろうか。事件の発覚を阻止するためにも鮮やかに完璧にいつでも殺せるように思うのだが…。

 

2人は何度も、事件の真相について互いに言及している。しかし真相についての明言は駆け引きに終始してギリギリのところで触れていない。

 

2人はそんな駆け引きゲームを楽しんでいるかのようだ。いづれにせよ、ベデリア・デュ・モーリア博士が事件の真相に気づくタイミングでいつでも対処できるよう、監視状態下に置いているようにも見えるが、その実はまた違う所にあるようだ。

気品に満ちた優雅さをかもし出す、淑女なベデリア・デュ・モーリア博士。

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

レクター博士同様、常に高価で品格のある装いを身にまとうベデリア・デュ・モーリア博士。そんな品格の中に、妖艶なセクシーさをかもし出している。

 

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

美しいフィレンツェの街並みに、溶け込んでいる博士。その美しい横顔からは伺い知ることもできないほどの真実の顔を隠し持っている。

レクター博士の恋人?それとも…

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

レクター博士がFBIから逃れて潜伏しているイタリアのフィレンツエに同行しているベデリア・デュ・モーリア博士。

 

普通の恋人同士ならなんら不思議なことはないのだろうが、あのレクター博士である。常に命の危険にさらされているように思えるのだが…。

 

2人は、フィレンツェで素敵な同棲生活を送っている。普段の会話は素敵な恋人同士の会話に思えるし、それはそれで真実なのだろうと思う。しかしだ、

 

レクター博士『自分だけは殺されないと、自信を持っているのかい?』

 

ベデリア・デュ・モーリア博士『いいえそうじゃないわ。』 

 

『でも今じゃない…。』

 

 

やはり、レクター博士のかごの鳥状態なのだろうか。

ベデリア・デュ・モーリア博士の真の裏の顔とは…

『ハンニバル/海外ドラマ版』ベデリア・デュ・モーリア博士の裏の顔にせまる。

 

では一体、ベデリア・デュ・モーリア博士の真の裏の顔とはなんなのだろうか。

 

それを知るには、物語の最期の最期に出てくるシーンを観なければわからない。というか、このシーンに彼女の真実が集約されていると思う。

 

 

まず彼女自信は、レクター博士同様のシリアル・キラーなのか?という点について。
これについては、限りなく白であろう。しかしレクター博士の本性についての理解さらには共感するところは大きく有るだろうと思う。

 

フィレンツェで食事に招いた、意地悪な学者のこめかみから、レクター博士が刺したアイスピックを淡々と抜いた様子を観るかぎり、レクター博士のような凶暴性はないにしろ同類な性質は持っているようである。

 

レクター博士への愛

 

彼女の愛はレクター博士へ向けられていることは間違いないのであろうが、残念なことにそのレクター博士の愛はどうやら、ウィル・グレアムに向けられているようだ。

 

したがって、ベデリア・デュ・モーリア博士の愛はというと一方通行であると言える。しかし、そんな事実を知りながらもレクター博士のそばを離れようとしないのには、なにか特殊な感情がそうさせていると思われる。

 

どうやら彼女を虜にしている理由は、彼女の全人格を絶対的に支配する、レクター博士とい存在にあるようだ。その気になればいつでも刈り取られてしまうだろう自らの命。弄ばれる危険性を楽しんでいるようだ。

 

例えるならこうだ、今まで刈り取られることを強く拒んできたリンゴの果実が、やがて美しく熟す。それでもまだ刈られる事を拒み赤々と熟しきってしまったリンゴの果実が、腐って落ちてしまう前に美しい姿のままに刈り取られるべき人間を見つけ出しすべてをゆだねた。

 

と言えないだろうか。
それはラストシーン。豪華な食卓を用意し、久しぶりの再会を待ちわびるベデリア・デュ・モーリア博士。食卓の上にはメインディッシュが。それは大きな銀の皿の上に乗った自らの片足。

 

レクター博士の帰宅を待ちわびるベデリア・デュ・モーリア博士の表情は、恍惚以外のなにものでもない。絶対的な支配者との再会を心の底から望んでいた証に捧げる自らの一部。

 

彼女の心と体は、絶対支配者のレクター博士の胃の中に収められることで達成する自虐的な、もしくは猛獣に噛み殺されるときにする、草食動物の恍惚な表情に通ずるエクスタシーを欲していたのでは無いだろうか。

 

 

とても稀な作品、ハンニバル。

いかがでしょう?ベデリア・デュ・モーリア博士という人物についての私の考察です。

 

みなさんならどうお考えになるでしょうか。

 

ハンニバルという作品は、映画版などでレクター博士の残忍な殺戮シーンのイメージが強いと思いますが、ドラマ版ではサイコパスやシリアルキラーな人物の、その精神構造を垣間見ることができてとても興味深い作品です。

 

とても稀な作品なので、映画やドラマファンの方なら一見の価値はあります。

 

 

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